ヒートペンは、工作好きには非常に便利な道具であることは間違えないのですが、やはりどんなものにも向き不向きがあるもので、今回いろいろやってみてヒートペンとて例外ではないことを知りました。
ヒートペンは、プラスチックの熱可逆性を利用して、プラの切断、整形、接着、盛付けなどを行うものです。ですから、熱が重要な要素になります。
切断や整形に関しては、それほど熱量は必要なく、最低温度の160℃で充分に行えます。むしろ、余計な部分まで溶かさないように温度は低くなければなりません。
これに対し、接着や盛付けは接着部分が完全に溶けていることが条件で、切断や整形より熱量が必要になります。だから、ランナーのような盛り付けるものだけを溶かしたのでは完全に付かず、切削等を行った際に剥がれてしまいます。
だとすれば、上手く接着するには盛付け部分の深い所まで熱で溶かせばよいのではないでしょうか?では、何温度ぐらいで、どんなふうに?
結論から言うと、温度は付属のウェルダーで170-180℃、やり方は、完全にくっ付くまで何度も盛り付けを繰り返すということでした。結局、地味な作業の繰り返ししかないということです。(汗)
では、具体的に解説しましょう。まずはウェルダーを溝に沿わせるように動かして溝の底を一度溶かしておきます。こうすると、いくらかくっ付きやすいようです。
次に伸ばしランナーを少しずつ溝の奥に押し込むように盛付けます。
6/17追加:ウェルダーの先をゆっくり動かし、場合によってはじっと動かさず、しっかり熱を伝えて溶かしてやると良いみたいです。但し、加減を間違えるとパーツが熱変形するので注意が必要です。
できたら、一旦やすりで表面を研削します。
ヤスリで削ってみると、完全に溶着していない部分が白っぽくなって見えてきます。
(後から筋彫りし直したりしなければこのままでも問題ない)
白く見えるところは、ウェルダーで溶かして溝を彫り、再度ランナーを盛付けます。要は、これを白く見える所がなくなるまで繰り返す訳です。(汗)
まだ充分に白い部分を消していませんが、試しに彫刻刀でさらってみると、良くくっ付いていることがわかります。
この上から筋彫りを彫り直してみると、白く残った部分が欠けて汚くなりましたが、これは前工程で丁寧な作業を行うことで解決できます。
どうでしょう?今のところこのぐらいしか思いつきません。良い考えがありましたからアドバイスをお願いいたします。